2011年4月13日水曜日

エチレン、グリコール、モノエチル、エーテル99%


   誠和のアルコール染料「ローパススピラン」のラベルに、成分表示が印刷されています。以前のラベルには成分表示は無かったのですが、やはり成分表示はあったほうが良いですね。

   アルコール染料と書きましたが、染料の分類としてはアルコール染料というよりも、酸性染料に分類される染料をアルコールで溶いているものだと思われます。アルコール染料というのは、レザークラフト業界的な呼び名なのではないでしょうか。

   さて、成分ですが、まずは染料。これは溶かす前は粉の状態です。次にエタノール、エチルアルコールですね。それからIPAというのは、イソプロピルアルコール。イソプロピルアルコールは、消毒用のアルコールによく使われているので、病院を連想する臭いがあります。エタノールにイソプロピルアルコールを混ぜて、飲酒不能な変性アルコールにしたものを使ったということだと思います。メタノールの利用も可能で、染料を溶かす力なども違うと思われますが、レザークラフトでは安全優先でやはりエタノールが良いですね。

   最後にエチセロですが、これは染料の溶解剤です。染料の粉をエチセロで溶いて、アルコールで適度に希釈するという感じで染料液は作られていると思われます。市販の液体染料の濃度は、それぞれの会社の製品によって違っておりますので、濃度の濃い製品もあれば、そうでも無い製品もあります。誠和のスピランという染料は、標準濃度といった印象で、あまり希釈せずとも使いやすい濃度かなと思います。使う人によって好みがあると思いますが、私にはちょうど良い感じです。(追記:黒や焦茶などは、もっと濃度が高い方が、より使いやすくなるような気がしています。)


  次の画像は協進エルの粉末アルコール染料の溶かし液の缶のラベルです。成分に「エチレン、グリコール、モノエチル、エーテル99%」と書かれていますが、これはかなり恥ずかしい表示です。

   実際には「エチレングリコールモノエチルエーテル」という名称の溶剤が入っています。決して「、」は間に入らない一つの薬品名なので、明らかに誤表示なのですが、かなりの年数この表示のままです。(ラベルの表示を変えてほしいですね。)

   この「エチレングリコールモノエチルエーテル」は、別名「エチルセロソルブ」と言います。さらに短くして「エチセロ」とも言われています。そうです、最初の画像の成分表示に出てきた「エチセロ」と同一の溶剤なのです。


   アルコール染料の溶かし液の缶には、もう一つこの薬品の危険性に注意を促すラベルも貼られています。可燃性であるだけでなく、全身に対して毒性があり、経口吸収だけでなく、経皮吸収もされますので、注意が必要なのですね。詳しくは、下記のページを見てください。

   http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds_label/lab0095.html

   さらに詳しい資料のPDFなどが、検索すると見つかりますので、興味のある方は調べてみてください。全身に対して毒性があり内蔵にも影響するそうです。また、精子が減ったり胎児に影響があるそうですから、これから子育てが待っている方には、注意していただきたいですね。

   (追記:エチセロは、染料液を作る時、最初に染料の粉に少量加えられるだけのはずなので、もともとの染料液に含まれるエチセロの濃度は低いものと考えられます。)

   昔は、私も粉から染料を溶いていたので、エチセロは普通に使っていました。今は、粉から溶いて使うことは無くなりましたが、エチセロは今でも使うことがあります。何に使うかと言うと、市販のアルコール染料に適量加えて、液性を穏やかにするのに利用しています。浸透性や揮発性が抑えられるので、染め足が揃いやすくなり、だいぶ染色しやすくなります。

   でも、それなりの毒性がある溶剤ですから、このような利用法を、本当はこんなところに書いてはいけないのかもしれません。作業環境が整っていて換気もばっちりという方以外は、あまり試したりしないでください。気体になっても空気より重く低い位置にたまりやすいという解説もありましたので、換気にはくれぐれも気をつけましょう。

   ちょっとした薬品で染料液の性質が変わるんだなーという、体験の一つとして試すくらいがちょうど良いかもしれません。作業は自己責任で!

   レザークラフトも健康と安全第一で参りましょう。