2011年11月10日木曜日

ラウンドナイフ:1


   革を始めてからだいぶ時間が過ぎてしまいましたが、この間、一度もラウンドナイフを使ったことがありませんでした。どこか使いにくそうで、切れなさそうなイメージを持ってしまって、興味を持つことも無く過ごしてきました。

   ところが、人が使っているのを見たり聞いたりしているうちに、どのようなものなのか知りたくなってしまい、Taka Fine Leather Japan の大塚さんに、何かお勧めいただけるナイフはないですかとお尋ねしたところ、なんとナイフの実物を何本も貸してくださいました。

   上の画像は何本かラウンドナイフを並べてみたものですが、実際には8本のラウンドナイフを送付していただきました。この画像は、イメージ的に並べたもので、送っていただいたナイフがそのままという物ではないのですが、送っていただいた中には、有名な故ドン=キング氏が所有していたというナイフもあり、ラウンドナイフの仕立ての最高の見本として参考にさせていただくことができました。柄の形状や刃の形状など、このナイフに必要な要素を、目と手から直接学ぶことができました。

   自分だったら、こんなに道具を人に貸すことができるだろうかと考えてみると、たぶん無理だと思います。大塚さんの度量の広さに感謝です。

   初ラウンドナイフの感想は、まず思っていた以上に切れるということです。こんなに切れ味の良いナイフだとは思ってもいませんでした。悪い思い込みの例ですね。完全に予想を裏切られる切れ味でした。

   構造的には、刃が思っていたよりも繊細で薄く、研ぎ角が浅い割には刃の粘りがあって丈夫そうな感触でした。また、小回りが効くように細部の研磨が考えられていて、気配りの効いた作りのナイフでした。構造的な合理性では、日本の革包丁よりも上と思われるところもありました。

   ただ、何せ持ち慣れない、使い慣れない道具なので、私が上手に使えません。これが最大の難点です。下手なのを我慢して使いつづけないと、上達しそうもありません。使っているうちに、何かコツをつかめる時が来るような気がするのですが、そこまで使うことができるかどうか、ちょっと自信がありません。


   2枚目のこの画像は、大塚さんから私が譲っていただいたナイフです。薄刃で切れ味も良く、ラウンドナイフ初心者が使ってみるにはちょうど手頃で良い感じのナイフです。ラウンドナイフは使うのも初めてでしたし、研ぐのも初めてでしたが、大塚さんから貸していただいた実物を参考にしたり、アメリカの「Leathercraft TOOLS」という本を参考にしたり、輸入工具の取扱いが豊富な LLツール さんのサイトを参考にさせていただいたりしました。

   LLツールさんのラウンドナイフの参考ページへのリンク。

  上のリンクの LLツールさんの解説ページにもある通り、オイルストーンで研ぐのが一般的なようなのですが、私は、普段使っている水砥石を使って研ぎました。私にとっては、使い慣れが水砥石が、最も研ぎやすく感じるようです。動作は、オイルストーンで研ぐときと同じだと思います。



   そして、これが自分なりに調整してみたナイフです。柄は少し短く切りましたが、長さは、LLツールさんの解説ページの方法を参考に決めました。また、刃に近い柄の端を薄く削るともっと良いのですが、このナイフの金属製の柄の口金の構造上は、切削しないほうが良いようです。刃の形も少し変えました。ラウンドナイフの小回り感を出すためには、けっこうポイントとなる面取りもあって、和でも洋でも刃物の共通性があるのだなと思いながら加工しました。

   十分に薄くて浅い角度に仕上がっている刃だったのですが、最初よりも刃の角度をなだらかに研ぎなおしました。ついでに。ピカピカに研磨された刃だったのを、曇った状態にしました。ピカピカだと、どうも目が疲れそうだったのです。この刃はステンレスの刃物綱のようです。もう少しだけ剛性感のある鋼の刃も試してみたいと思いましたが、まずはこのナイフを私が使えるようになれるかどうかが先立つ問題です。

   慣れるほど使うには、しばらく時間がかかりそうですが、少しは手に馴染むようにしていきたいと思っています。自信は無いのですが、ちょこちょこと少しずつ慣れていこうと思います。