2012年6月19日火曜日

近所の池


   近所のことを、短期集中で3回ほどの予定で書きます。

   画像は工房から徒歩1分以下の距離になる池です。千秋公園の入り口に当たる位置にあります。私は最近は池と言うようにしていますが、通称はお堀です。昔の城の掘の跡なのですね。周囲には黄色のショウブが咲き、池の中には蓮が咲き、一見きれいに見えるかもしれません。


   最初の画像の中央付近、池の中の蓮の群生をよく見ると、その真ん中になんとショウブが咲いています。水の中に? いえいえ、水がほとんど無いからなのです。


   池に水が流れ込むところは、このようになっています。ほとんど水は流れ込んでいないのですね。もはや池とも言えません。沼か湿地です。池の周囲のヨシ?は以前は無かったのですが、夏場に一番水が少なくなる頃には、池を人の視線から隠してしまうほどになります。そして今では、水のない池の中央部にも生えています。


   池の排水口のところは、こんな状態です。干上がって来ているようです。雨が降っても、この様子はあまり変わりませんので、水がどこからか抜けていると考えるのが妥当かもしれません。ここから徒歩2〜3分の広小路沿いの池の真下あたりでは、地下の大工事が行われて、自動車専用の中央地下道が造られました。この工事は、実は軟弱地盤に無理をして行った工事です。

   その工事の頃から水位の低下が顕著になりましたので、その地下道工事の影響もあるのかもしれません。もしかしたら地中で水がダダ漏れ状態になっていて、広小路に面した池(堀)と、この池の水位のレベルが合っているのではないかと思ったりもします。水や土砂が地中で動いている可能性はないのでしょうか?万が一にも、道路が突然陥没するようなことがなければ良いのですが・・・。

   私が思うには、この池はもう半分以上死にかけています。水も汚くて、暑い季節には臭いがします。水質は最悪です。ヘドロがたまり、木の棒を挿すとぼこぼこと泡が立ちます。あと数年放っておけば、堆積物と水の減少によって、池でさえなくなるでしょう。これが、一応観光地とされている、千秋公園の入り口あたりの様子です。

   他にも似たようなの池はありまして、千秋公園に隣接する秋田県成人病医療センター・秋田県立脳血管研究センター・秋田県総合保健センターという、県を代表する医療・保健・衛生などに関係すると思われる施設の前にも、2つの池があります。その池もまた汚くて死にかけた池のように見えます。きれいな水環境があれば、これらの医療・保健施設にもぴったりなのに、汚い水で残念です。

   実は、その池の1つでは、水の浄化試験らしきものが行われているのですが、堆積物で水位が浅く水も汚くて、その効果は私の目には全くわかりません。正直なところ、意味のある試験には見えません。やはり、池としての限界を迎えつつあるように見えます。

   ちなみに、千秋公園のこれらの池(堀)のどれかはわからないのですが、ゼニタナゴという絶滅が危惧されている淡水魚の、北限の生息地だったそうです(つい過去形で書いてしまいました)。秋田の自然の豊かさを象徴するとか、保全しなくてはならないとか、ネット上にお役所のいくつかの文書が散見されます。でも、池は今このとおりです。まだ、ゼニタナゴは生息しているのでしょうか。

   モリアオガエルなどもおりますし、もっときれいに保てば、良い空間になると思うのですが・・・。カモも毎年ここで産卵し子育てしますが、ここまで水が少なくなり、堆積物が土と化してくると、それも難しくなるかもしれません。カラス・ネコ・ネズミ・ヘビなど、子育ての邪魔をしそうな生物は公園にもおりますので、水が少なくなると、危険も高まるのではないかと心配です。数日前は、カモの断末魔なのではないかと思うような、カモの鳴き声も聞こえてきましたし・・・。今年もカモの親子の姿はみられるのでしょうか。

   池は、このようにとても残念な状態で放置されております。貴重な生物がいるかもしれない池の生態系は、無残に変わってしまいました。最近流行りの「エコ」という言葉は、エコロジーすなわち生態学ですから、こういった生態系に配慮するという意味でしょうし、単に省エネということではないはずなのですが、これではエコポイントゼロですね。

   工房のそばの池も、昔は水が澄んでいたんです。昔見た、水底のエビの姿を、今も忘れません。でも、数年前まではたくさんいたアメリカザリガニでさえも、今はほとんど姿を見かけなくなりました。

   このまま池をつぶして駐車場か広場にでもするのか・・・。そんなことを真剣に考えてしまう、池の現状です。


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   千秋公園は、秋田市内の代表的な観光スポットということになっているのですが、その入口にある池の状態は、本当にひどくなってしまいました。私個人としては、池の水を見るのは嫌いですし、わざわざ人にお見せしたいとは思いません。池のこの有様というのは、恥ずかしいことだと思っています。史跡として誇りに思う気持ちを持つのも難しいことです。ですから、お堀と呼ぶのはやめて、池と呼ぶことにしました。

   あまりの水の汚さに、子供たちには池にあまり近づかないようにと、小さい頃から何度も話してきました。観光スポットとして、自信を持って人をお招きすることなど、到底出来そうにありません。

   また、公園内はヒトスジシマカが毎年大発生します。解説を探して読んでみると、感染症を媒介することがあり、湿疹なども起こすそうです。感染症についてはよくわかりませんが、刺されるとひどく腫れてかゆいですね。蚊が多い季節には、ゆっくり歩いていられないほどに、すぐに蚊が集まってくるのですが、水環境の悪さも影響しているのではないかと想像しております。観光スポットとしても、決して良いことではありませんし、衛生の問題としても考えるべきことかもしれませんね。(カラスの大群も住み着き、時間や場所によっては、散歩していても気味悪く恐いと感じる時があります。)

   水環境については、もう保全というには手遅れの状況と言いますか、新しい環境を作る手立てを人が考えるしかないように思えます。近くの旭川の水を引き込んで、水の流れを作るしかないと思います。昔の堀にどのように水を引き込んでいたのか、歴史的な考察も必要だと思いますが、何かいい方法があるはずです。千秋公園を繰り抜いた、千秋トンネルを造ったあたりが、水環境破壊のダメ押しだったように思いますので、人の手で何とかするしかありません。

   今でも、千秋公園のはずれのほうには、昔の配水場の痕跡があります。千秋公園に揚水して水を流すのも、歴史的な整合性があるように思いますので、一法かもしれません。

   導水が実現すれば、箱物や道路造りから、環境を優先した街づくりに、お金の使い方もちょっと変わるということにもなりますので、街づくりの考え方自体も変わるかもしれませんね。(導水にあたり、地下道絡みのトラブルだけは心配です。)

   水のデザインは、街や人の根幹に関わるものですから、水環境は一日も早く良くなってほしいです。

   後日書いた「古地図」の記事へのリンク。