2013年3月28日木曜日

KEN弦楽器工房

 「あきたタウン情報」という地元の情報誌に、物作りの人を取材した「秋田手仕事File」という記事を何回か書くことになり、3月下旬に発売された4月号から掲載されております。こういった本作りの世界と接するのは始めてですが、取材させてくださる方と、カメラマンと編集者と私と、みんなの合作でできていくものなのだなーと感じております。

 様々な素材の物作りの人たちから、たくさんのことを教わりながら書かせていただくことになると思います。見開き2ページに写真と文章が掲載されておりますので、機会がございましたら、ぜひご覧ください。


 さて、第1回の記事に登場していただいたのは、KEN弦楽器工房の斉藤さんです。この画像は斉藤さんが製作されたバロックギターのサウンドホール部分を写したものです。きれいな模様の何かがサウンドホールの中にありますが、何だかわかりますか?

 立体ロゼッタという名称の部品で、装飾と音の調整の役割があります。実は、仔牛の生皮でできています。羊皮紙というのがありますが、それの仔牛版でヴェラムと言う素材になります。日本では羊皮紙という単語が使われますが、「生皮紙」という言い方にすれば、原皮の種類も選ばないわかりやすい言葉になったかもしれませんね。

 この精密な立体ロゼッタを初めて見た時、自分ではこの加工ができる気は全くしませんでした。今も、自分にはできないと思っています。ものすごく細密で、これをほとんどカッターを使って切っているというのですから、それはもう驚きです。作者のカッティングや切り合わせの技術と感覚が、常人の域を越えてすごいのだと思います。

 私もそうでしたが、革の世界にいる人でも、ほとんどの方は見たことも聞いたこともない作品だと思います。皮でこんな繊細なものが作られているのを知ることができるだけでも、何だかうれしい気持ちになります。

 日本のレザークラフトの中の生皮工芸とは、また一味違った表現の世界が感じられます。古楽器の再現作品の中でのパーツの一つですが、昔の工人はやはりすごかったのですね。(それを再現する現代人もすごいです!)


 KEN弦楽器工房の仕事場で撮影させていただいた画像をもう一枚。このダイヤルシックネスゲージはとても大きくて、私が持っている物と比べると、倍以上のボリューム感がありました。スタンド付きというのも良いですね。絵になる道具でした。

 KEN弦楽器工房の斉藤さんについてのもっと詳しい情報は、タウン情報の「秋田手仕事File」でご覧ください。と書きながら、このブログの右欄のブログリンクの「Luthier日記」は斉藤さんのブログです。毎日更新中。ブログからホームページにも移動できます。

 6/21〜6/23には秋田市大町ココラボラトリーで、個展も開催されます!!